✔スイスの公用語って何?
✔スイス語ってあるの?
✔スイスの言語問題とは?
こんな悩みを解消します。
「アルプスの少女ハイジ」でもおなじみのスイス。のどかで穏やかなイメージを持っている方も多いかと思います。
また、永世中立国でもあり兵役義務もあります。
そんなスイスですが、実は「スイス語」は存在しません。具体的には「ドイツ語(スイスドイツ語)」「フランス語」「イタリア語」「ロマンシュ語」の4つが国語と定められています。
その理由を紐解くためには、スイスの歴史や背景を理解する必要があります。
今日は、「スイスが多言語国家の理由」「スイスで話されている言葉」「スイスの言語問題」について解説していきます。
ぜひ最後までご覧くださいませ。
✔スイスが多言語国家の理由
✔スイスで話されている言葉
✔スイスの言語問題とは?
◆◇◆◇記事の信頼性◆◇◆◇
当サイトの筆者TONYは、元専門学校教員です。地歴公民を専門で教えていたので、世界情勢には非常に詳しいです。
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スイスが多言語国家の理由
スイスが多言語国家なのは、「異なる言語を話していた民族・地域が集合」して成り立ったからです。
また、各自が属しているコミュニティへの愛着も強いので、スイス語という言語は存在しません。
スイスで話されている言葉
スイスで話されている言葉は、「ドイツ語(スイスドイツ語)」「フランス語」「イタリア語」「ロマンシュ語」の4つです。
言語分布は以下の通りです。
◆言語分布
画像引用元:wikipedia
また、それぞれの話者の割合は以下の通りです。
◆言語話者の割合
ドイツ語:63%
フランス語:20%
イタリア語:6%
ロマンシュ語:0.5%
その他:10%
スイス政府は4言語を国語と定め、特に話者がもっとも少ないロマンシュ語の保全に力を入れています。
最も話者の多い言葉はドイツ語です。ちなみに、スイスで話されるドイツ語は標準ドイツ語と大きな差があるので、厳密には「スイスドイツ語」と呼ばれています。
では、なぜ上記のような言語構成なのでしょうか?
スイスの歴史を簡単に紹介したいと思います。
スイスの歴史
ウーリ州・シュヴィーツ州・ウンターヴァルデン州の3州が、ハプスブルク家(ドイツ系貴族の国家)からの自治を維持するために結んだ同盟(=1291年の永久盟約)が、スイス国家の原型とされています。
その後、イタリア戦争の過程で1516年にイタリア語圏のティチーノ州もスイスへ併合されます。
また、18世紀後半~19世紀前半のフランス革命戦争・ナポレオン戦争の混乱期を経て、フランス語圏諸州もスイスへ合流し現在に至ります。
ロマンシュ語は、南東部グラウビュンデン州のアルプス北山麓地方で昔から話されている言葉です。
スイスの言語問題とは?
現在のスイス国内を見ると、ドイツ語が実質上優位に立っています。そのことから生じる政治的・経済的なパワーバランスの不均衡が、スイスの言語問題と言えます。
ドイツ語が優位に立っている理由は、以下の2点です。
◆理由
①最初から住んでいたのはドイツ語圏の住民
②ドイツ語話者がもっとも多い
そういった経緯から、少数のロマンシュ語住民は経済的におくれをとらないよう、ドイツ語を習得しています。
また、スイスの全国放送では標準ドイツ語が使用されています。
スイスの言語教育
スイスの公教育では、母語以外の国語を習得することになっています。
例えば、「ドイツ語圏の州ならフランス語」「フランス語圏の州ならドイツ語」といった感じです。
ただ、公教育は国ではなく州に自治権があるので、国が制定することができません。
近年、ドイツ語圏のいくつかの州ではフランス語よりも国際的に有利な英語教育を優先しようとする動きを見せています。(ドイツ語圏のチューリッヒ州はグローバル企業も多いためです)
国語よりも英語を優先することに対し、他言語の州が反発しているという事態も起きているのです。
そういったことも、スイスの言語問題に拍車をかける一因となっています。
スイスの言語問題とは?まとめ
「スイスが多言語国家の理由」「スイスで話されている言葉」「スイスの言語問題」について、それぞれ解説しました。
歴史的・地理的に見てもドイツ語が優位に立っていますが、それぞれのバランスをうまくとっていくのが大切と言えますね。
ちなみに、スイス国内で英語はほぼ通じます。特に若い方や空港・ホテル・タクシー・レストランといった場面では心配する必要はありません。
ただ、それぞれの言語共同体への愛着もとても強いので、やはり「Do you speak English?」といったように英語で尋ねてもよいか最初に確認を取るのがマナーと言えますね。
本日は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。
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